岩田 考司
2024/07/25
「最近白髪が増えてきた」
「いつも同じ場所に白髪が生えるけれど、理由はあるの?」
「そもそも白髪が生える原因は?」
など、白髪についてお悩みや疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では白髪が生える場所や原因から、予防法、正しいケアまで美容師が詳しく解説します。白髪が気になる方やこれ以上白髪を増やしたくない方は、ぜひ参考にしてください。
髪の毛の色はメラニン色素の量によって決まります。メラニン色素が多いほど、色は濃くなります。
メラニン色素は毛根のメラノサイトという細胞で生成されます。しかし、何らかの原因でメラノサイトの働きが低下、またはメラノサイト自体が消失すると、メラニン色素が作られなくなり白髪になってしまうのです。
白髪が生える、つまりメラノサイトの働きを低下させるおもな原因をご紹介します。
白髪の原因としてもっとも代表的なものは加齢です。年齢を重ねるとメラノサイトの働きが徐々に低下し、メラニン色素が減少します。よって白髪が増えてしまうのです。
個人差はありますが、30代以降から白髪が気になり始めることが多いでしょう。
10代や20代でも白髪が生える若白髪の人もいますよね。これは遺伝的な要因が大きいと考えられます。
家族に若い頃から白髪が生えやすい体質の人がいると、自分にも遺伝することがあるでしょう。
更年期や産前産後などに白髪が増えるのは、ホルモンバランスの乱れが原因のひとつです。ホルモンバランスが乱れると髪に十分な栄養が行き届かなくなり、白髪が増えるだけでなく、抜け毛や薄毛が進行することもあります。
人は睡眠中に多く分泌される成長ホルモンの働きによって、全身の健康を維持しています。十分に睡眠がとれていないと成長ホルモンが正しく分泌されず、メラノサイトのダメージや機能低下につながります。
そのため、睡眠不足が続くと白髪が増えるおそれがあるでしょう。
健康な髪を育むには十分な栄養が必要です。偏った食生活や過度なダイエットなどで十分な栄養がとれていないと、メラノサイトの働きが低下し、白髪が生えやすくなることがあります。
ストレスが原因で白髪が増えることもあります。人はストレスを感じると交感神経が優位になり、毛細血管が収縮した状態になります。
毛細血管が収縮するとメラノサイトに必要な栄養や酸素が行き届きにくくなり、白髪が増えてしまうのです。
髪の成長に必要な栄養素は血液によってメラノサイトに運ばれるため、血流が悪いと十分に栄養が行きわたりません。冷えや運動不足なども血行不良の原因になり、白髪につながることがあります。
タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があります。喫煙習慣があると血流が悪くなり、メラノサイトに必要な栄養が運ばれなくなるため、白髪が増えるおそれがあります。
紫外線を多く浴びるとメラノサイトがダメージを受け、白髪の原因になることがあります。
また、紫外線は頭皮の乾燥や炎症を引き起こし、頭皮環境を悪化させることも。白髪だけでなく抜け毛や薄毛などさまざまなトラブルにつながるため、注意が必要です。
突然白髪が増えた場合には、病気が原因であることも考えられます。慢性胃腸疾患、悪性貧血、甲状腺疾患、腎不全、円形脱毛症などの病気になると、急激に白髪が増えたり、かたまって白髪が生えたりすることがあるのです。
白髪以外にも身体の不調を感じる場合には、早めに医療機関を受診し、医師に相談してください。
分け目や生え際、後頭部など、白髪が多く生える場所が決まっている方は多いのではないでしょうか。お客様からも「目立つところに白髪が多い」「同じところばかり白髪が生える」というお悩みをよく聞きます。
白髪が生える原因はさまざまですが、生える場所によっては体の不調が関係することもあるといわれています。ここでは白髪が生える場所とおもな原因をご紹介します。
分け目や頭頂部に白髪が多い場合は、紫外線が原因のひとつかもしれません。
分け目や頭頂部は特に紫外線が当たりやすい場所です。紫外線によってメラノサイトがダメージを受け、白髪が増えることが考えられます。
また、いつも同じ分け目で過ごしていると同じ場所に負担が集中し、血行不良が原因で白髪が生えやすくなることがあります。分け目に白髪が集中している方は、一度分け目を変えてみてもよいでしょう。
生え際やこめかみには多くの神経細胞が集まっています。特にこめかみは視神経とつながっている部分です。
生え際やこめかみに白髪が生えやすい方は、日常的にパソコンやスマートフォンを長時間使い、目の疲れがたまっている可能性があります。
さらに、常に髪をきつく結んでいると、生え際に負担がかかり血行不良につながります。毎日同じところで結んでいると白髪の原因になることもあるので、適度に髪をほどいたり、髪型を変えたりして負担を軽減しましょう。
後頭部には生殖器系のツボがあります。後頭部に白髪が多い方は生理不順やホルモンバランスの乱れなど、生殖器系の不調がある可能性があります。
また、ストレスや自律神経の乱れも後頭部に白髪が生えやすいといわれています。
残念ながら、気になり始めた白髪を完全になくすことは難しいでしょう。しかし、白髪が増えるのを予防することは可能です。ここからは白髪予防に効果的な方法をご紹介します。
健康な髪のためには、まずは内側からのケアが重要です。無理なダイエットや偏食をせず、バランスの取れた食事を心がけてください。特にタンパク質、亜鉛や鉄分などのミネラル、ビタミンを積極的に取り入れましょう。
髪の毛の主成分であるタンパク質。さらに、髪の毛を黒くするのはチロシンという成分が深く関係しています。タンパク質が不足するとチロシンも不足し、白髪になりやすいといわれています。
そのためタンパク質を積極的に摂取することで、白髪を予防し健康的な髪が育ちやすくなるのです。
タンパク質を多く含む食品:肉、魚、卵、大豆製品、牛乳、乳製品、牡蠣など
ミネラルのなかでも白髪予防のために特に取り入れたいのが、鉄分と亜鉛です。鉄分と亜鉛はメラニン色素を作るメラノサイトを活性化させ、髪の毛に色素を供給するのを助けてくれます。
鉄分を多く含む食品:レバー、牛肉、赤身の魚、豆類など
亜鉛を多く含む食品:牡蠣やハマグリなどの貝類、牛肉、レバー、チーズなど
頭皮の健康維持を助けるビタミンBや抗酸化作用のあるビタミンCは、白髪予防に特に効果的です。血行を促進するビタミンEやビタミンAも積極的に取り入れましょう。
ビタミンを多く含む食品
ビタミンB:豚肉、穀類、レバー、ニンニク、貝類や魚卵など
ビタミンC:パプリカ、ブロッコリー、キウイフルーツなどの野菜や果物
ビタミンE:ナッツ類、ゴマ類、魚介類など
ビタミンA:レバー、卵黄、うなぎ、緑黄色野菜など
頭皮の血行不良を防ぐためには頭皮マッサージが効果的です。お風呂上がりやすきま時間に、指の腹を使って頭皮全体をマッサージしましょう。
頭皮マッサージを習慣化することで、白髪ができにくくすこやかな髪が育ちやすくなります。頭皮マッサージをする時間がないときは、ブラッシングだけでもおこないましょう。
毎日の頭皮ケアに最適なmm スカルプエッセンス。
女性ホルモンの一種「エチニルエストラジオール」配合。さらさらとしたベタつきの少ないエッセンスが頭皮をしっかり保湿し、やわらかく弾力のあるすこやかな状態に導きます。産後の抜け毛予防にも◎。
肌だけでなく、髪や頭皮にとっても紫外線は大敵です。紫外線によるダメージを減らすために、髪と頭皮の紫外線対策も欠かさずおこなってください。
外に出るときは帽子や日傘でガードして、髪や頭皮に直接紫外線が当たらないように注意。髪用の日焼け止めスプレーの使用も効果的です。
▼髪と頭皮の紫外線対策についてはこちらもチェック!
疲れやストレスは白髪が増える原因です。適度に休息やストレス発散のための時間を作り、疲れやストレスをためこまないように気をつけてください。
健康維持とストレス解消のためには適度に運動するのもおすすめです。
睡眠中は健康な髪と頭皮のために欠かせない成長ホルモンが多く分泌されます。白髪を予防するためには十分な睡眠をとり、規則正しい生活を心がけましょう。
白髪予防のためには頭皮環境を整えることが大切です。頭皮に皮脂や汚れがたまったり、乾燥したりして頭皮環境が悪くなると、頭皮が炎症を起こすことがあります。
頭皮が炎症を起こすと、免疫機能が正しく働かなくなりメラニン色素にも悪影響を与えてしまうのです。
一般的な市販シャンプーは洗浄力が強いものが多く、頭皮を乾燥させてしまうことがあります。できるだけ美容院で美容師さんに相談し、自分の髪に合ったシャンプーを選んでもらうとよいでしょう。
クレイエステは頭皮の健康を考えてつくられたシャンプー&ヘアマスク。
ミネラルを豊富に含んだ天然クレイが頭皮の汚れを除去し、健康で美しい髪へ導きます。汚れはすっきり落ちるのに乾燥しにくいのも◎。
続いて、できてしまった白髪への対処法と正しいケア方法をお伝えします。
気になる白髪が数本であれば、抜きたくなってしまうかもしれません。ただし、白髪を抜くのは、毛根やメラノサイトにダメージを与えるおそれがあるのでNG。
1~2本の白髪が目立って気になるときは、小さめのハサミを使い根元付近からカットしましょう。
白髪が気になるときは美容院で白髪染めをするのがおすすめです。
もちろん市販の白髪染めでセルフカラーも可能です。ただし、セルフカラーは色が濃く入りすぎる、ムラになりやすいなど、思わぬトラブルやダメージにつながるおそれがあります。
キレイに白髪をカバーし、理想の仕上がりにするためにはできるだけ美容院でオーダーしましょう。
美容院での施術なら白髪を黒く染めるだけでなく、明るくして目立たなくする、ハイライトを入れて白髪をぼかすなど、さまざまな方法があります。担当の美容師さんと相談しながら、自分に合ったぴったりのスタイルでおしゃれに白髪をカバーできるはずです。
▼おしゃれな白髪染めが気になる方はこちらもチェック!
すぐに美容院に行けないときや根元の白髪が気になるときには、一時的に白髪を隠すためのアイテムがおすすめです。マスカラタイプやパウダータイプなど、白髪を隠すためのさまざまなアイテムがあるので、使いやすいものを選びましょう。
スロウ ヘアカラーコンシーラーはファンデーションタイプの白髪隠しです。
ヘアカラーをして数週間後くらいから気になる、顔の周りや分け目の伸びてきた白髪を簡単にカバー。次回美容院に行くまで快適に過ごせます。
最後に白髪についてのよくある疑問にお答えします。
白髪は抜いたからといって、増えるという事実はありません。
ただし、白髪を抜くことで頭皮にトラブルが起きやすくなります。髪を無理に抜くと、毛穴や毛根が傷つき、次に生える髪にダメージを与えるおそれがあります。
結果的に白髪が生えやすくなる可能性は否定できないので、白髪を抜くのはやめましょう。
メラニン色素の原料であるチロシン不足や、メラノサイトの働きの低下によって白髪になってしまった髪は、原因が解消されれば黒髪に戻る可能性があります。
ただし、メラノサイト自体が消失してできた白髪は基本的にはもとに戻りません。白髪の約8割はメラノサイトが消失している状態といわれています。よって、白髪が黒髪に戻ることは少ないでしょう。
白髪が生える場所や原因はひとつではなく、さまざまな要素が関係しています。そのため、一度気になり始めた白髪を完全になくすことは難しいといえます。
しかし、生活習慣や日頃のヘアケアを見直すことで、白髪の生えにくい頭皮環境を作ることは可能です。白髪が増える前にしっかり予防することを心がけましょう。
もし白髪にお悩みの場合は、セルフカラーをくり返す前にぜひ一度美容院で担当の美容師さんに相談してくださいね。「白髪染めの頻度を減らしたい」「白髪をおしゃれにカバーしたい」などお悩みや要望を伝えれば、あなたに合ったスタイルを提案してくれますよ。
▼白髪が気になる方はこちらもチェック!
HAIRトレンザINTERNATIONAL
岩田 考司
店舗名
HAIRトレンザINTERNATIONAL
取扱ブランド