本田晋一
2023/10/02
みなさまこんにちは。大阪で美容師をしている本田晋一と申します。
先日お客様からこんなご質問をいただきました。
せっかくヘアカラーをするのに、カラー剤がしみたり頭皮が痛くなったり、トラブルが起きてしまっては台無しですよね。
そこで今回はカラー剤がしみる、痛い、かゆいなど、ヘアカラー時のトラブルの原因と対処法をご紹介します。
まずはヘアカラーでなぜ頭皮にトラブルが起きるのか、原因から解説します。
ヘアカラー剤に含まれるアルカリや過酸化水素によって頭皮がしみる、ヒリヒリするなどの症状が起こることがあります。これを感覚刺激といいます。
感覚刺激は一時的な症状で、基本的にはカラー剤を洗い流せば治まります。ヘアカラーがしみる方のほとんどは感覚刺激なので、あまり心配しすぎなくても大丈夫です。
もし洗い流しても違和感が続くときは、担当の美容師さんに相談しましょう。
花粉症や食物アレルギーなどのように、ヘアカラー剤でもアレルギー反応を起こすことがあります。
一般的なヘアカラー剤には「ジアミン」という染料が含まれます。ジアミンに対して体の免疫機能が過剰反応を起こし、かゆみやかぶれなどの炎症を引き起こしてしまうことがあるのです。これをジアミンアレルギーといいます。
ヘアカラーを流してからもヒリヒリしたり、時間が経ってからかゆみやかぶれなどの症状が現れたりすることもあります。また、アレルギーはこれまでにヘアカラーしたときは何ともなくても、突然発症するケースもあるので注意が必要です。
もしかゆみやかぶれが出たときや、家に帰ってから症状が悪化した場合などは、早めに皮膚科を受診し医師に相談してください。
乾燥や傷などで頭皮のコンディションがよくない場合にも、ヘアカラー剤がしみることがあります。自分では気づかないうちに頭皮が日焼けしていたり、シャンプーのときにひっかいて傷ができてしまったりすることもあるでしょう。
生理中や不規則な生活などでホルモンバランスが乱れると、肌のバリア機能が低下し、刺激を受けやすくなります。ホルモンバランスが乱れているときにヘアカラーすると、いつもよりしみたり、かゆみが出たりすることがあるのです。
ストレスや疲れ、睡眠不足、風邪など、体調がすぐれないときはヘアカラーがしみやすくなることも。免疫力が下がっているときは、いつもより刺激に敏感になっているのです。
ここからはカラー剤がしみるのを防ぐために、お客様にお願いしたいことをご紹介します。
シャンプーをすると汚れと一緒に頭皮を保護する油分も洗い流してしまい、カラー剤がしみやすくなることがあります。また、念入りに洗いすぎて頭皮に傷がつくことも。
ヘアカラーがしみるのを避けたい方は前日のシャンプーは控えるか、できるだけやさしくしましょう。美容院でもヘアカラー前のシャンプーはしないか、軽めに済ませるところが多いはずです。
カラー剤がしみる方やヘアカラーでかぶれたことがある方は、必ずカウンセリングのときに担当の美容師さんに伝えてください。美容院によってはしみにくい施術方法や刺激の少ないカラー剤に切り替えることも可能です。
ジアミンアレルギーの場合はヘアカラーするとまたかぶれてしまうおそれがあるので、必ず事前に相談してください。
睡眠不足や女性の場合は生理中など体調がよくないときのヘアカラーは避けたほうが無難です。しみるだけでなく、カラー剤の臭いで気分が悪くなってしまうこともあります。
体調が優れないときは無理せずメニュー変更やキャンセルをして、体調が整ってからあらためてヘアカラーしましょう。
市販のヘアカラー剤は、誰でも簡単に染められるように強めの成分が入っていることが多いです。また、ヘアカラー剤の塗り方や地肌に触れる量などの微調整も自分では難しいでしょう。
刺激やトラブルが気になる方は、市販のヘアカラー剤でカラーリングするのはあまりおすすめしません。
顔や体は日焼け止めを塗っていても髪や頭皮の紫外線対策は忘れがちな方も多いのではないでしょうか。
頭皮が日焼けしているとヒリヒリしたり乾燥したりして、カラー剤がしみることがあります。帽子や日傘、髪と頭皮用の日焼け止めスプレーなどで紫外線対策しましょう。
洗浄力が強いシャンプーはそのぶん刺激も強く、頭皮に必要な皮脂まで奪ってしまうおそれがあります。日常的に洗浄力が強いシャンプーを使っていると頭皮が乾燥しやすく、カラー剤がしみる原因に。
カラー剤がしみるのが気になる方は、洗浄力がマイルドなシャンプーを使うようにしてみてください。
クレイエステシャンプー&ヘアマスク
クレイエステは頭皮の健康を考えてつくられたシャンプー&ヘアマスク。ミネラルを豊富に含んだ天然クレイが頭皮の汚れを除去し、健康で美しい髪へ導きます。汚れはすっきり落ちるのに乾燥しにくいのも◎。
シャンプーをするときに爪を立ててゴシゴシ洗うのはNG。頭皮や髪を傷める原因となります。シャンプーはよく泡立てて指の腹でやさしく洗うのがおすすめです。
熱いお湯でシャンプーをすすぐと、乾燥しやすく頭皮の傷みにつながります。シャンプーするときのお湯は38℃前後のぬるめに設定しましょう。
頭皮が乾燥し、カラー剤がしみるのを防ぐためには、ヘアケアだけでなく頭皮ケアもすると◎。頭皮用の保湿ローションを使い、頭皮のうるおいをキープしましょう。フケやかゆみの予防にも効果的です。
続いて、カラー剤がしみるのを防ぐために美容師側でできることをご紹介します。
カラー剤のアレルギーやしみるのが心配な方にはパッチテストを行うことができます。パッチテストはヘアカラーに対してアレルギー反応が出ないか調べる検査です。
使用するカラー剤を肌に少量塗り、赤みやかゆみなどの異常がないかどうか経過を観察します。アレルギー反応が遅れて出る可能性も踏まえ、パッチテストは48時間後の肌をチェックする必要があります。美容院でパッチテストを行いたい場合は、来店前に相談するのがおすすめです。
カラー剤がしみるのを防ぐ頭皮用の保護スプレーやオイルを用意している美容院もあります。頭皮を薄いオイルの膜で保護し、カラー剤の刺激から頭皮を守ってくれます。
ヘアカラー中の不快感を軽減できるので、しみるのが心配な方は保護スプレーをしてもらえるか担当の美容師さんに聞いてみましょう。
一般的なヘアカラー剤がしみる、ジアミンアレルギーで使えないなどの場合には、刺激の少ないカラー剤を使うこともできます。
ただし、低刺激のカラー剤を使ってもしみることもあれば、美容院によっては取り扱っていない場合もあります。
また、ヘアマニキュアやカラートリートメントは一般的なヘアカラー剤よりも色落ちが早い、染められるカラーが限られているなどの注意点も。ヘアカラー剤の刺激が気になる場合は、事前に担当の美容師さんに相談してみてください。
▼ヘアマニキュアやカラートリートメントが気になった方はこちらもチェック!
しみるのを防ぐために、頭皮にヘアカラー剤をつけないでカラーリングする方法もあります。
カラー剤が直接地肌につかないように、地肌から数mmあけて塗る技術があります。これをゼロテクといいます。
カラー剤がしみる方にはこの方法でカラーリングすることが多く、すべてのお客様にゼロテクでカラーリングする美容師もいます。ゼロテクでカラーリングした場合にも、仕上がりは根元までキレイに染まっているので安心してください。
ただし、高い技術が必要な方法なので、カラーが得意な美容師さんにおまかせするのがおすすめです。
髪全体をカラーリングするのではなく、ハイライトやグラデーションなどのデザインカラーで印象を変える方法です。明るさやカラー、色の入れ方などで雰囲気を変えられるので、カラー剤がしみるのは嫌だけどおしゃれなスタイルを楽しみたい方におすすめです。
ハイライト
引用元:カラログ
ハイライトはベースカラーよりも明るい色をポイントで細かく入れるスタイルのこと。ヘアカラー剤は使いますが頭皮に直接塗らないので、カラー剤がしみるのを防げます。
▼ハイライトについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック!
グラデーション
グラデーションは毛先にかけて徐々に明るくなるスタイルです。根本を避けて色を入れればヘアカラー剤を頭皮に直接塗らなくても、おしゃれな髪色にできます。
美容院でのヘアカラー中にカラー剤がしみる、痛い、かゆいなどの症状が出た場合の対処法をお伝えします。
ヘアカラー中には「しみてないですか?」と必ず聞かれると思います。頭皮の違和感やトラブルを感じたら、決して無理をしないでください!僕らは業務的に聞いているのではなく、お客様の現状を知る必要があるから聞いているのです。
美容師はヘアカラー中にトラブルが起きた場合にも冷静な判断をして適切に対処できるよう、常に知識を増やし技術を磨いています。だからこそ正確な情報が必要です。無理して頭皮を傷めてしまっては元も子もないので、必ず我慢せず伝えてくださいね。
家に帰ってから赤みやかぶれが出た、症状が悪化した、ヘアカラーして数日経ってからかゆみやかぶれが出たなどの場合には、早めに皮膚科を受診して医師に相談してください。薬を処方してもらえば症状を緩和できるでしょう。
また、皮膚科でヘアカラーを控えるようにと言われた場合には、必ず担当の美容師さんにも伝えてください。
引用元:カラログ
ヘアカラーは本来美しくなるためのものであり、不安になるものではありません。だからこそ、正しい情報の共有が大切です。
僕たち美容師は安心・安全にヘアカラーを楽しんでもらうために、しっかりとした知識とテクニックを持ってお客様にヘアカラーを提供させていただきます。
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カラトリ
本田晋一
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