樋口祐次郎
2018/09/30
「タダで髪切ってよ」
これ、
理美容師なら1回くらい言われた事あるんではないでしょうか?
言い方が違えど、
これに似たような意味合いの言葉を、
友人、家族、親戚、ちょっとした知り合いetc…から。
たしかに、
まだカットのレッスンの段階だったり、
自己研鑽の為に理美容師側からお願いする事はあります。
ただ、これを切ってもらう側の方から言うのはどうなんでしょう?
僕らの技術は商品だよ。
「髪ぐらいタダで切ってよ笑」
昔、知り合いからこう言われた事があります。
正直、かなりイラッとしましたね。
髪ぐらい?
タダで??
個人的には髪を髪ぐらいとは思っていません。
この業界に携わってまだまだ若僧ですが、
これまでお客様を担当させていただいて感じてる事は、
お客様は必ずこれから何かある前に、その時に綺麗に、可愛く、カッコよくいたくていらしてくださってると思ってます。
必ずではないですか、大なり小なり何かの為に来ていて、
ただ髪を短くする為に来店する方はいないと思って施術をさせてもらっています。
(中にはいると思いますがw)
そして何より、
僕らの技術は、
お金をかけて学校に通い、
時間と体力と精神力を使って練習をし、
先輩やお客様に叱咤激励を受けながらやっと身につけたもの。
僕らはその技術をお客様に買っていただいてます。
商品なんです。
これを、
友達だから。
家族だから。
知り合いだから。
などの理由でタダで提供する義理はないんです。
例えば、
車屋さんや不動産などの仕事をしている親戚や友人に、
タダで車ちょーだい。
家タダで建ててよ。
なんて言わないですよね。
扱う金額の大きいからタダは無理。
でも何千円くらいならタダでいいでしょ?
という話は無い訳です。
言われる側にも問題がある
理美容室の中にはお客様を呼びたくて、
理由の無い値引きなどを簡単にしてきてしまって来た背景もあります。
イメージとして、カットぐらい安く(タダで)出来んでしょ?(材料費かかんないし)
みたいな印象も持たれているんだろうなと。
これってモデルレッスンの時代に無料でいいからっていうのが、そういう印象をもたせちゃう…??
うちでも、アシスタントのモデルレッスンに関してはまだ料金を頂かずにさせてもらっているんですが、その辺も考えなきゃなんですかねぇ??
そして、やはりそういう事を言われるには言われる側の僕らに問題があるんですよね。
そういう雰囲気しか出せて無い。
タダで切ってよ(安くしてよ)と言われてしまうスキがあるんです。
もしかしたら、理美容師以外の技術職でも同じような事ありますよね。
後輩を育てる立場になって。
最近よく考えるのは、
この子達が独り立ちする頃にこういう風潮は無くしててあげたいなと思う訳です。
理美容師の技術の市場価値を高めたいなと。
こういった長い時間をかけて出来てしまったイメージを変えるのには、
長い時間がかかると思います。
管理職や経営者が多い30〜40代の僕らから理美容室として在り方を考えてやっていかなきゃですね。