本村正文
2025/03/13
こんにちは、福岡北九州【est】の美容師本村正文です。
一度もカラーやパーマをしていない髪のことを「バージンヘア(バージン毛)」といいます。ツヤがあり、ハリ・コシがしっかりしているのが特徴ですが、ヘアカラーするときには注意が必要な点も。
この記事では、バージンヘアの特徴やメリット・デメリット、染めるときのポイント、おすすめのカラーについて美容師が詳しく解説します。
初めて髪を染めようと考えている方や、バージンヘアを活かしたい方はぜひ参考にしてください。
バージンヘアとは、一度もカラーやパーマ、ブリーチなどの薬剤処理をしたことがない髪を指します。バージン毛ともいいます。
カラーやパーマは薬剤の力で髪表面のキューティクルを開き、内部構造を変化させることで完成します。ただしどうしても髪に負担がかかり、多少のダメージは避けられません。
バージンヘアは薬剤によるダメージを受けていないので、髪表面のキューティクルが整っていてツヤがあります。さらに健康的でハリやコシがあるのが特徴です。
バージンヘアのメリットをお伝えします。
バージンヘアはカラーやパーマによるダメージを受けていないので、枝毛や切れ毛などが少ない傾向があります。ツヤがあり見た目も美しくキープできていることが多いでしょう。
キューティクルが整っているバージンヘアは、指どおりがよくなめらかな質感を維持できます。あわせて適切なヘアケアをすれば、美しいさらツヤ髪になれます。
バージンヘアはダメージヘアと比べて補修が必要な部分が少なく、基本的なヘアケアを意識するだけで、ツヤやコシのある髪を保ちやすいのが特徴です。日頃のケアを続ければ、長期間美しい髪をキープできます。
バージンヘアには以下のようなデメリットもあります。
バージンヘアに初めてヘアカラーをする場合は色が入りにくい傾向があります。
ヘアカラーの仕組みは、薬剤の力でキューティクルを開き、内部に浸透した成分がメラニン色素を分解・破壊することで発色させるものです。しかし、バージンヘアのキューティクルは整っていて密閉性が高いため、薬剤が内部に浸透しにくく、思ったように色が入りづらいのです。
さらに、バージンヘアはカラー履歴のある髪に比べてメラニン色素を多く含んでいます。そのため、一度のヘアカラーではメラニン色素を十分に分解できず、希望の色や明るさになりにくいことがあります。
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ヘアカラーと同様、バージンヘアは初めてのパーマもかかりにくいことが多いでしょう。
パーマもヘアカラーと同様に、薬剤によってキューティクルを開き、髪の内部構造を変化させてウェーブを作ります。キューティクルが整っていてハリ・コシのあるバージンヘアにはウェーブが定着しにくいのです。
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バージンヘアはキューティクルが整っており、髪内部の水分量も多いため、ヘアアイロンやコテで巻いてもカールがつきにくいことがあります。
特に髪が太くて硬いタイプのバージンヘアは、熱を加えてもすぐに元のストレートに戻りやすく、スタイリングがしにくいと感じることがあるでしょう。
カラーやパーマをせず、美しいバージンヘアをキープしたいときのヘアケアのポイントをご紹介します。
紫外線は髪のキューティクルを傷つけ、乾燥やパサつきの原因になります。外出時は帽子や日傘、髪用の日焼け止めスプレーなどを使用し、紫外線対策をしましょう。
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洗浄力が強すぎるシャンプーは必要な皮脂まで落としてしまい、髪と頭皮の乾燥を招きます。アミノ酸系や低刺激のシャンプー、保湿力の高いトリートメントを使用し、美しいバージンヘアを守りましょう。
市販のシャンプーは洗浄力が強いものが多いので、できるだけ髪と頭皮にやさしいサロンシャンプーの使用がおすすめです。
クレイエステは頭皮の健康を考えてつくられたシャンプー&ヘアマスク。
ミネラルを豊富に含んだ天然クレイが頭皮の汚れを除去し、健康で美しい髪へ導きます。汚れはすっきり落ちるのに乾燥しにくいのも◎。
美容院のトリートメントは、髪の内部にしっかり栄養を補給できるため、健康的な髪を保つのに効果的です。1~2か月に1回程度のペースで施術を受けると、ツヤとまとまりのある髪をキープできます。
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これからバージンヘアを染めようと考えている方もいるでしょう。バージンヘアの方がヘアカラーをするときは、以下の点に注意してください。
バージンヘアのカラーリングは薬剤の選定や放置時間の見極めがとても重要で、難易度が高い施術です。
セルフカラーでは思うように色が入らなかったり、ムラになったりすることも。初めてのヘアカラーはできるだけ美容院でオーダーしましょう。
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バージンヘアにはヘアカラーの薬剤が浸透しにくいため、思うように色が入らないおそれがあります。明るくしたい場合にはブリーチが必要になるかもしれません。
また、一度のカラーで明るくできなくても、2~3回カラーを積み重ねて徐々に明るくすることはできます。美容師さんと相談しながら、段階的に理想の仕上がりを目指すのもおすすめです。
バージンヘアのヘアカラーは通常よりも時間がかかる傾向があります。放置時間を長くしたり、カラー剤の調整が必要になったりすることが多いからです。
美容院で染める場合は、カウンセリングの時間を含めて余裕を持ったスケジュールを組むことをおすすめします。
バージンヘアを染める方におすすめのヘアカラーをご紹介します。
引用元:カラパレ
バージンヘアからの初カラーにぴったりのブラウン系カラー。自然になじみやすく、落ち着いた雰囲気に仕上がります。
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引用元:カラパレ
あたたかみがありやわらかいベージュ系カラー。肌なじみがよく顔色を明るく見せる効果があり、初めてのカラーにもおすすめです。
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引用元:カラパレ
赤みが出やすいバージンカラーには、赤みを抑える効果のあるアッシュ系カラーも◎。こなれ感のあるスタイリッシュな髪色に仕上がります。
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初カラーにしたい人におすすめなのが「スロウカラー(THROW)」です。THROWはアッシュやマットなど寒色系の発色にこだわったプロ向けヘアカラー剤。
アッシュをはじめとする表現が難しい寒色系カラーも、内部からしっかり染め上げ、思いどおりの髪色にできます。
▼スロウカラー(THROW)取扱サロン検索
https://www.b-ex.inc/throw/search
引用元:カラパレ
最後にバージンヘアについてよくある疑問にお答えします。
ヘアカラーで染めた黒髪は見た目はバージンヘアとよく似ています。しかし、黒染めは薬剤処理を受けた髪なのでバージンヘアではありません。
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バージンヘアに一番明るいヘアカラー剤を使用しても、ブリーチなしで表現できる明るさの限界は10〜12レベルです。
※髪質や髪の状態によって個人差があります
さらに明るくしたい場合は、2〜3回カラーを重ねて徐々にトーンアップするか、ブリーチを検討する必要があります。理想の髪色にあわせて、担当の美容師さんと相談しながら決めるのがおすすめです。
こちらは10年ぶりのヘアカラーで、バージンヘアから「ブリーチなしでできる範囲で明るくしたい」とオーダーをいただいたお客様です。根元と中間~毛先は染まりやすさが異なるので、薬剤を塗り分けています。
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カラーやパーマをした髪をバージンヘアに戻すには、完全に生えかわるのを待つしかありません。
染めている部分を暗めのカラーにし、伸びた根元は染めずに伸ばしていく方法が一般的です。年単位で時間がかかるので、美容師さんと相談しながら徐々にバージンヘアに戻していきましょう。
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バージンヘアは健康的で美しい髪質が魅力です。そのまま活かすのも、カラーやパーマを楽しむのもあなた次第。大切なのはバージンヘアの特徴を正しく理解し、自分に合ったスタイルを選ぶことです。
バージンヘアを染めるときは担当の美容師さんとよく相談しながら、髪質や好みに合ったカラーを楽しんでくださいね。
【est】
本村正文