b-ex journal 編集部
2016/06/03
こんにちは。
デザイナーの田中(@tanaken__1)です。
今回は株式会社モルトベーネから先日発売された新カラー剤「THROW(スロウ)」という製品のデザイン・ブランディングの裏側のお話。
プロジェクトについての詳細や想いは弊社のCMOあさと(@asato_dx)が書いた記事
「業務用製品がおしゃれになるということ。THROWのデザインに関わって考えたことの備忘録」
をご覧くださいm(__)m
SuperCrowdsという会社がこのプロジェクトに参加してから製品発表までの期間は約1年間でしたが、
薬剤開発の期間を合わせるとまるっと2年間!
全てのことを書き留めようとすると、本当に書ききれない量になってしまうので、今回はデザインにフォーカスした内容です。
まずSuperCrowdsという会社として何をしてきたか?というお話。
関わった役割は本当に多岐に渡りました。
・ブランドコンセプト立案
・ネーミング決定
・本製品・販促物(カラーチャートやチューブ絞り等)のプロダクト・パッケージデザイン
・パンフレットなど印刷物のDTPデザイン
・撮影ディレクション
・公式WEBサイト、ヘアカラーメディアのデザイン・実装
その他諸々etc…
目に見えないものから見えるものまで、本当の意味でのトータルプロデュース。
モルトベーネさんとは以前別の案件でお仕事をさせて頂く機会があったとはいえ、ここまでの規模のプロジェクトを任せて頂けたことは本当に感謝しても感謝しきれないです。。!
一社(デザイナーとしては一人)で全てを担ったので当然といえば当然ですが、結果としてブレないモノ作りが出来たと自負しています!
デザインを進めるにあたって成し遂げたかった目標は大きく3つ
1.美容師さんが求める”理想”をカタチに起こす事。
2.”道具”として愛着を持ってもらえる(長く使ってもらえるモノにする)事。
3.開発、販売に関わる人にも長く愛着を持って貰えるブランドにする事。
僕自身、前職がメーカーのプロダクトデザイナーだったので作る側の大変さも、それを世の中に発信・販売していく難しさ、喜びもよく知っているつもりです。
美容に関わる製品なので純粋に”かっこいいモノ”に仕上げる事ももちろん必要でしたが、
裏テーマは現場の人(美容師さんだけでなく、メーカーの開発者・営業さんetcを含む全ての人)にも長く愛着を持ってもらえるモノに仕上げることでした。
”自分”とは美容師さんのことでもあり、メーカー(モルトベーネさん)のことでもあり、デザイナーの僕自身のことでもあります。
すごくシンプルな話ですが、極論を言ってしまうと、
”自分がいいと思った製品でなければ第三者にその製品の良さを伝えることは出来ない”
と思っています。
職業柄”デザイン”と”ブランディング”の違いとは?なんてことを考える機会は多いわけですが、より多くの人を巻き込む長期的なブランド作りにおいて”その製品が好きか””当事者意識が持てるか””共通言語が持てるか否か”という部分はとても大切にしています。
ここで言う”共通言語”とは簡単にいえば各人が感じてる”THROWっぽさ”のことです。
“THROWの世界観”って言ってもいいかもしれません。
製品作りはたった1人で完結させる事は出来ません。
作る人、伝える人、使う人。様々な人を介してブランドとしてのイメージは変化していきます。
関わる人が多ければ多いほど、伝言ゲームのように本当に伝えたい事はブレてしまいがちです。
”製品の良さは?本当に伝えたいものは何なのか?”
伝えたいモノがブレてしまわないように、ただただシンプルに、本当に必要なもの以外を削ぎ落とし、本質を浮かび上がらせる。
THROWで目指したのはそんなモノ作りでした。
THROWのブランドメッセージは「誰でもない、自分になる。」というもの。
製品名である”THROW(スロウ)”という言葉には”投げる””捨てる””開放する”という意味があります。
ここには”重い荷物やしがらみを脱ぎ捨てて、ありのままの自分自身を楽しんで欲しい”という想いが込められています。
実はネーミングの候補としては他にもいくつかあったんです。
spre(スプレ), unsolid(アンソリッド), crux(クラクス), precise color(プリサイズカラー) etc…
“色”や”製品特性”そのものをコンセプトにしたものや、よりブランドとしてのメッセージ性が強いもの…
ひとつひとつに色々な意味が込められています。
色々な案が検討されましたが、最終的にはブランドメッセージとの親和性の高さ、呼びやすさなどから「THROW(スロウ)」に決定。
「美容師だけでなくお客様にも名前を浸透させたい」
「覚えやすい名前、オーダーしやすい名前にしたい」
という理由ももちろんなのですが、もうひとつ決め手になった大きな理由がありました。
それはサロンでカラーの施術をする際、スタッフ内でコミュケーションを取るのに
「製品名が呼びづらいとストレスに感じてしまう」という声。
実際他社のカラー剤で名前が長いものは、現場では略称で呼ばれているみたいです。
そういった意見もあったので”呼びやすさ”は非常に重要なポイントでした。
文字で起こすと「スロウ」は3文字ですが、発音的には「スロー」になるのでわずか2文字!
しかも最後は伸ばす発音なので言い易い!
気にする人は少ないでしょうが、実はそういうところまで考えていたりします。
思ったより長くなってしまったので続きは近日中に!
次回はロゴとかプロダクト・パッケージデザインのお話です!!
(というかホントはそれを書きたかったのに脱線してしまった…)
(THINKCOLORFUL.LYより転載)
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