樋口祐次郎
2018/08/08
先日、朝の7:30から結婚式のためのヘアセットでご来店のご新規のお客様がいらっしゃいました。
毎回なのですが、早朝のヘアセットでご来店されるお客様はみんな揃って申し訳なさそうに扉を開けて入店されます。
そして、
「朝早くからあけてもらってすみません(汗)」
と言われます。
僕らは、技術料と時間外料金を対価として頂いているので全く申し訳なくないのですが,
そう思わせてしまってる理由がそのお客さまとの会話でわかりました。
どうやらうちのサロンに予約を取る前に3件ほど他のサロンに電話をしたとのこと。
おぉ・・・4番目か。
と、ちょっとジェラシーも感じましたがw
そのあとお客様の口から
「みなさん朝早いの嫌ですもんね…しょうがないですよね。」
と。
うん。たしかに、楽ではないw
その時自分の過去を思い出したんですが、
何年も前に、夜中の12時に予約を受けた事があります。
もちろんこのケースは特別なので、この記事を見て夜中の12時に予約はして来ないでくださいね笑
そのお客様は他県からの問い合わせでした。
どうやらご家族に不幸があったようで、仕事終わりに仙台に帰ってきて、諸々やるべき事があり、次の日の通夜に備えたいと。
夜中の12時くらいには行けるんですが…
と伝えられて12時か…とはなりましたが、逆に12時だと特にすることもないし、寝るだけし、事情が事情なので即決でお受けしました。
ご来店され会話の中で印象的だったのが、
「自分の親を見送るのに、弔問にいらしてくださる方々に白髪姿では申し訳ない。自分自身も綺麗な姿で見送りたい」
その言葉を聞いた時は眠気も疲れも忘れて、背筋が伸びました。
そのお客様の姿勢に尊さも感じたし、自分の仕事の本質はこういう所にあるのか。
と再認識させられましたね。
僕らは唯一、人の髪にハサミを入れたり、薬剤を使用できる仕事で、それを頼りにしてくださるお客様がいる。
その目の前のお客様に感謝される。
こういうお客様や今回の朝のセットのお客様を断っていたらこの職業を選んだ意味がないんじゃないな。
と感じた出来事でした。
今は働き方など色々ありますがこういった感性は無くしたくないなと思います。